【内分泌代謝・糖尿病領域専門医】糖尿病領域の勉強の仕方について

専門医




こんにちは!

しらたまです。

しらたまについて

私(しらたま)は

たまお(夫)と

ちびたま(2歳8ヶ月)の3人暮らし

私は同年度に

第34回糖尿病専門医試験

第2回内分泌代謝糖尿病領域専門医試験

のダブル受験をし、無事両方とも合格する事ができました。

学会が推奨している?通常の専門医取得の流れとしては、2階部分と呼ばれている、2月試験の内分泌代謝糖尿病領域専門医試験(以降は領域専門医と記載します。)を受験し、合格した後に3階部分といわれる翌年10月試験の糖尿病専門医試験を受験するのが一般的な流れだと思うので、領域専門医から受験される先生方もかなりの人数いらっしゃると思います。

そこで、今回は領域専門医から受験される先生に向けて、私が考える糖尿病領域のおすすめの勉強法について触れていきたいと思います。

領域専門医試験と糖尿病専門医試験の違い(私見)

糖尿病専門医試験に関しては、正直かなり細かい知識を求められることが多いので、きちんと試験用の対策をしないと合格は難しいです。

一方で、領域専門医の糖尿病領域の出題は一般的な臨床問題も出題されるので、日常的に糖尿病診療をされている先生なら、勉強しなくても回答できる問題も出題されます。

例)45歳の男性。心筋梗塞で入院時の採血でHbA1c9.8%、随時血糖280mg/dLで糖尿病の診断となった。身長170cm、体重90kg、内因性インスリン分泌は良好。抗GAD抗体陰性。採血検査では軽度肝酵素上昇と高コレステロール血症を認める。腎機能は正常。腹部超音波で脂肪肝を指摘。その他特記すべき所見はない。

問)急性期加療後、退院に向けてこの患者に適切でない薬剤やどれか?2つ選べ。

A)エンパグリフロジン

B)メトホルミン

C)セマグルチド

D)チアゾリジン

E)グリベンクラミド

答え:D、E

一例ですが、上のような問題も出題されます。(この問題はしらたまが勝手に作りました。)

全てが例題のような問題ではありませんが、日常診療で使ってきた知識の肉付けと曖昧な知識を定着させていく勉強法で十分対応できる問題が多い印象です。

おすすめの教材

①糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第9版

②内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医研修ガイドブック

③内分泌代謝専門医のセルフスタディ230 (診断と治療社 内分泌シリーズ)

※現在は本は購入できず、Web版のみ購入可能だと思います。

④内分泌専門医に絶対合格したい人のための問題集 第2版

来年度に糖尿病専門医も受験予定の先生には①糖尿病専門医研修ガイドブックを参考書として使用して、③セルフスタディ230と④絶対合格を問題集として解いていく事をおすすめしたいです。ですが、領域専門医の試験範囲自体は②内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医研修ガイドブックのみを参考書として使用しても網羅していると思います。

①糖尿病専門医研修ガイドブックの使用をおすすめする理由としては、試験勉強を通してそれなりに参考書を読むことになるので、早めの段階から①ガイドブック触れていた方が翌年の糖尿病専門医試験に向けて勉強がスムーズに繋がっていきます。糖尿病専門医試験は合格率が6割程度と他の専門医試験と比較しても取得が難しい印象です。早めのうちから取り組んでおいて損はないです。

一方で、来年度に糖尿病専門医は取得しない予定、もしくは今後も取得予定のない先生は②内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医研修ガイドブックの糖尿病領域の内容で十分かと思います。

また、糖尿病専門医は学会誌の委員会報告・コンセンサスステートメント・特集も出題範囲となりますが、領域専門医では基本取り組まなくても問題ないかと思います。(高得点〜満点を取りたい方は取り組んでもいいかもしれません。)

領域専門医は試験内容も選択問題のみの出題なので、記述対策をする必要はありません。

勉強方法(私見)

まずは自分がどれだけ問題が解けるのかを把握した方がいいので、③セルフスタディ230と④絶対合格の糖尿病領域の問題を早めに1周解いてみて、①糖尿病専門医研修ガイドブック(もしくは②内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医研修ガイドブック)を参考書がわりに使いながら、出題傾向と自分の現況を理解する事が大切だと思います。

④絶対合格の解説には、過去に出題された範囲には下線が引いてあるので、出題傾向がより把握しやすいです。

問題を1周解いたら、頻出の箇所や自分の弱い範囲が把握できると思うので、その箇所を重点的に①糖尿病研修ガイドブック(もしくは②内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医研修ガイドブック)を読んだり、自作のノートにまとめて、内容を覚えていくのがいいと思います。自作ノートを作った場合は糖尿病専門医試験対策にも使えるので、試験が終わっても捨てないでください。

糖尿病専門医試験を受験される先生のほとんどは、初めに①糖尿病専門医研修ガイドブックを1周読破すると思いますが、領域専門医受験の段階でガイドブックまるまる1冊読み込むのは、勉強時間が足りなくなる可能性が高いのと、内分泌・脂質領域まで手が回らなくなるリスクが高いのでおすすめしません。自分が弱い個所、頻出の箇所に絞って読み込んだり自作ノートにまとめたりするのがいいと思います。

また、糖尿病治療ガイドに関してですが、糖尿病専門医試験対策に使用した先生を実際に何人も聞いたことがありますし、その先生方も合格されていましたが、試験で問われる知識量はカバーしきれていないので、個人的には領域専門医、糖尿病専門医共に使用しなくていいかなと思っています。(当時、糖尿病専門医試験対策用に自分も購入し、少しだけ使用しましたが、最終的には使わなくなりました。)

糖尿病内科の後期研修を始めたての先生や初期研修で糖尿病内科をローテートする先生に1冊勧めるとしたら、間違いなく糖尿病治療ガイドを選択すると思いますが、そういう立ち位置かなぁと思っています。

↓糖尿病治療ガイド2024 

終わりに

今回は実際に領域専門医を受験し合格した上で考える、糖尿病領域の勉強方法についてお話ししました。

新専門医制度になってから専門医試験を実際に受験された先生方もまだ少ない中で、特に私自身は先人達のノウハウや当時の話を聞くことができず、不安を分かち合う同期もいない環境にいたので、どうすればいいのかも分からず、手探り状態で進んでいく事が精神的にかなり辛く、更には子育て真っ只中、職場でも責任がある役職に就いてプレッシャーも多い中で、並行して勉強するのが本当に大変で辛い日々でした。

同じように医師になって、通常の業務量も多く、家庭のライフステージも変化していくタイミングと専門医試験がバッティングしている方も沢山いらっしゃると思います。

これから受験を考えている先生方の不安な気持ちを少しでも軽減できたら嬉しいです。

追加で聞きたい事や質問などあれば、お問い合わせフォームからご連絡ください。

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